みなさま「偏光酔い」って聞いた事ありますか?

先日、症状を訴えられてご来店されたお客様がいらっしゃいましたので、この場をかりてご説明させて頂きたいと思います。


偏光サングラスを掛けて、度付きではないのに度が入って見えたり、めまいや頭痛、立体感のズレや、足元がフワフワ浮いて見えたりする症状を「偏光酔い」と言ったりします!


偏光酔いの多くが、スポーツサングラスの様に、
レンズの湾曲(カーブ)が強いものを掛けた際に起こります。

レンズの湾曲が強いと、レンズの光軸が傾き、視線と光の入ってくる角度にズレが生じてしまいます。

そのズレが距離感や立体感を狂わせ、余計な度数が入って見える原因となります。

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全ての方が偏光酔いをするわけではなく、違和感の感じ方には個人差があり、人間は左右の目から入ってくる情報を、脳が補正して見ているので、人によって補正する力の差があります。

それでも、脳が長時間がんばって補正するわけですから、後々に身体に異常が起きても不思議ではありません。

また、ハイカーブレンズでも、高価なものには、視線と光のズレを補正する技術が使われているので、症状が出ない方がほとんどです。

その他に、偏光酔いの原因として、レンズの素材によるものがあります。

ポリカーボネイトや、トリアセテートといった素材は、偏光板をプレスして曲げて製作する為、均一に仕上げる事が難しく、場所によって偏光が効いていなかったり、視界が歪んで見えたりする事があります。

反対にガラスCR39といった素材は、歪が少なく、偏光レンズに向いた素材となります。

今回ご相談頂きましたお客様の対象となる偏光レンズですが、4カーブの平面レンズで、素材はCR39でした。

レンズの湾曲や、素材による原因ではなさそうです。

では、偏光酔いの原因は何だろうと、特殊な機械を使用して、レンズの歪を確認してみたところ…。


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写真(上)の様に、偏光レンズがフレームにパンパンな状態で取り付いており、偏光フィルムに負荷がかかり、かなりの歪が生じている状態でした。


この状態では、偏光性能を十分に発揮出来なかったり、人によっては気分が悪くなったりしてしまいます。

写真(下)の様に、歪の入らない状態でレンズを加工する必要があり、さらに偏光フィルムを守る為、クッション材のような役割や防水処理として、特殊なコーキング剤でフレームとレンズを止めてお渡しをしました。(ジョイニング方式)


最初は歪が無くとも、フレーム素材によっては、経年劣化により生地が縮む事で、偏光フィルムを圧迫させ歪が生じてしまう場合があります。

なので、偏光レンズやサングラスレンズ自体は、3年〜5年の間に交換をおすすめします。

本来、偏光レンズというのは、日常の景色に存在する不快な反射した光をカットしてくれる、目にとても優しいレンズです。

快適な視界を得る事のできる素晴らしいレンズだけに、知識や加工方法など、正しく取り扱いの出来るお店にお願いする事が大切です!

偏光レンズに限らず、サングラスを掛けて見え方に違和感のある方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談下さい

是非、ご一緒に解決策を探しましょう!!

<今回のレンズ交換に使用したレンズ>
TALEX PPL75(CR39) トゥルービュー 4カーブ シングルコート ¥11.000+TAX
※レンズカラーも元はブラウンでしたが、裸眼に近い見え方になる様グレーをご提案させて頂きました。
※ガラス素材でもご提案できましたが、女性のお客様という事で、軽さを重視しました。


オードビー大阪 難波